どうしても必要なもの。

人にはそんなものがある。

別に毎日必要なわけではない。

だけど、完全になくなってしまうと、それは困ってしまう。

そんなもの。

彼にとってのそれは呼吸管理だ。

ふとした瞬間に思い出す。

それは本当にふとした時だったり、仕事が終わってほっとした時だったり、疲れてしんどいと感じた時だったり、様々だろう。

彼にとってなくてはならないもの。

ラバーを身に纏い、日常的な自分とは違う、しかしそれもまた自分自身である姿になり、ゴム手袋をはめる。

自分を苦しめる相手ももちろん同じスタイルだ。

恐怖はないわけではない。

しかし、抗えない。

求めてしまうもの。

ビニール袋を被されたその世界から、こちら側を見つめる彼は何を思っているのだろうか？

私は彼の瞳の色が変わっていくのを眺めるのが大好きだが、きっと彼も何かを思っているはずだ。

苦しくて苦しくて、意識が遠のきそうになった時

そこでまた何を思うのか？

いや、何も考えられないのかもしれない。

私にはっきりとわかること、それは

彼にとってこれはどうしても必要

彼が彼らしくあるために。

時にちょっと使ったことのないものを持ってきてくれたりもしながら、しかし毎回同じことをしているというのに、お互い飽きることもなく、どちらかというと新鮮さまで感じることすらできています。

キミは同じことを続けていく楽しさを私に感じさせてくれる一人。

またお会いできる日を楽しみに。

楽しいひと時をありがとう。